フレーム問題(英: frame problem)は、人工知能の重要な問題のことです。
フレーム問題とは
フレーム問題とは1969年にジョン・マッカーシーとパトリック・ヘイズが論文でとりあげた人工知能に関する難問と言われています。
1つのことをやろうとする際に、その間に起きる必要なものだけを選択する(フレームを設定する)のは非常に難しいというのがフレーム問題の趣旨です。
フレーム問題のポイント
フレーム問題のポイントとして、計算量は常に限界があるという点です。
人工知能だとしても、パソコンで動いている限り計算量は限界があります。
目的のための可能性をすべて洗い出すことは現実的には不可能です。
ですのでフレーム問題対策としては、全ての可能性を洗い出さないまま適切に考えて目的を実現することになります。この適切にフレームの設定を行うことが、計算で動く人工知能にとってを行うことは難しい課題となっています。
フレーム問題を人間が解けない事例
人工知能に関するこのフレーム問題は、人間でも解決できない場合があります。
有名な話として、びしょ濡れになった猫を乾かしたかった女性が、電子レンジで猫を乾かしたところ猫が死んでしまったという話があります。
女性は「生き物を電子レンジへ入れてはいけない」という記載がなかったことに対して電子レンジの製造会社へ訴訟を起こします。女性は裁判で勝利して、電子レンジの説明書には「生き物を入れてはいけない」という文言が追加されました。
これは一種の笑い話ですが、フレーム問題は人間にも解けないという例になっています。
人間には、電子レンジに入れるものをすべて洗い出し判定することは現実的に不可能です。
しかし、フレーム問題を解けなくても私達は電子レンジを使えています。
計算をしなくてもうまく計算量を節約しているのです。
フレーム問題への人工知能の対策
一般的に人工知能はフレーム問題を回避するために、状況を限定して余計な情報を与えない状況で運用されます。
囲碁の対戦人工知能ならば、囲碁しかできず、囲碁以外の情報は与えられません。囲碁のルール以外に余計なことを考えなければフレーム問題は発生しません。
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